特集 エコー 診療マニュアル
産科
29.胎盤の老化
畑 俊夫
1
,
近藤 俊吾
1
,
平野 正子
1
,
小倉 一仁
1
,
富岡 康広
1
Toshio Hata
1
1埼玉医科大学産婦人科
pp.1425-1427
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904994
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胎盤実質内のfallout像(図1)
患者は28歳初産婦。loss of variabilityが出現し,ラミナリアにて頸管開大後,プロスタグランディンにて陣痛の誘発を行い,陣痛開始後10時間にて自然分娩となった症例。分娩1週間前よりE3が37.3→23.4→20.8mg/day,LAPが3180→2834→2749と低下していた。HPLは11.0μg/mlで変化はなかった。
胎盤基底板はライン状に認められ,その内側にジュズ球状に最もhigh echoな顆粒が多数付着しており,羊膜膜板もやや厚くはっきりと認められ,胎盤隔膜様の像も見ることができる。特徴的な所見は小さいながらも,胎盤実質内にfallout像ともいうべき,はっきりと周囲を縁取りされたechoが欠損した像が存在している。福田らのⅣ型に一致すると思われる。
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