特集 Safe motherhood—リスクファクターの再評価
産科ショックの誘因とその対応
斎藤 良治
1
,
中村 幸夫
1
,
尾崎 浩士
1
Yoshiharu Saito
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.731-740
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904874
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1989年版の厚生省の統計1)によると,妊産婦死亡数は年ごとに減少しているが,その死因別頻度にはほとんど同じ傾向が見られている。すなわち,図1のように子宮外妊娠と分娩前後の異常出血が全死因の約半数を占めており,これに産科肺塞栓群が加わると,妊産婦死亡原因の実に60%以上が「産科ショック」であるといえる。そこで本稿では,産科ショックのなかで最も頻度の高い出血性ショックの特徴や誘因について述べるとともに,私たちが行っている対応策なども紹介したい。
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