連載 OBSTETRIC NEWS
Nonreassuring胎児心拍数パターンに対する対応—米国産婦人科学会の勧告の遵守率
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1474-1475
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904806
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1995年に米国産婦人科学会(ACOG)はnonre—assuring胎児心拍数(FHR)パターンに対する対応を勧告した.第一段階で行うことは母体酸素投与,母体補液,体位変換,オキシトシン減量または中止で,改善がみられない場合は第二段階として,胎児頭皮刺激または胎児音響振動刺激による一過性頻脈確認,胎児頭皮血採取(pH測定)を,反復する変動一過性徐脈に対しては人工羊水注入法,そして子宮筋過緊張がない場合でも子宮収縮抑制剤使用による子宮内胎児蘇生を行うことを勧めている(ACOG technical bulletin 207,1995).
Hendrixら(ジョージア医科大学)は,このACOGの勧告がどの程度遵守されているかを検討した.ACOGの勧告が出されたあとの1995年7月31日から1997年6月30日の研究期間中に,持続するnonreassuring FHRパターンのための帝切は3.6%(134例/3,671分娩)であった.細変動または一過性頻脈が確認できればreassuring FHRパターンとみなし,帝切を行わない方針とした.必要症例には,頸管開大が3cm以上の時点で子宮内圧測定用カテーテルを挿入し人工羊水注入法を行った.また,必要症例では頭皮血採取を行い,pHを測定した.
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