今月の臨床 更年期・老年期医療のピットフォール
診断・治療におけるピットフォール
4.皮膚の老化
牧田 和也
1
,
野澤 志朗
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1337-1339
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904776
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はじめに
更年期以降の女性に認められる皮膚に関連した変化としては,従来より「シミの増加」「乾燥感」「弾性や柔軟性の喪失」などがいわれている1〜3).しかし,これら皮膚の変化を主訴として婦人科外来を受診する者は,更年期専門外来といえどもほとんどいないのが現状である,また,更年期にみられる不定愁訴である更年期症状群としても,Kuppermanら4)がかつて提唱した更年期指数に含まれる「蟻走感」以外の皮膚症状は現在でもほとんど取り扱われていない.
しかしここ数年来,欧米を中心として.このような皮膚症状に対してもホルモン補充療法(hor—mone replacement therapy:HRT)が有効であるとする報告5〜14)が散見されるようになり,わが国でも更年期女性のQOLの向上を考えると無視しえない問題15)であるといえる.
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