今月の臨床 妊婦健診のピットフォール
妊婦健診の目的と意義—新しい時代への対応
草薙 康城
1
,
伊藤 昌春
1
1愛媛大学医学部産科婦人科学教室
pp.1064-1067
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904719
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はじめに
母子保健の基本的指標である周産期死亡率は,周産期医療の進歩や保健行政の変化に伴い,近年40年間で急速に改善され,先進国では下位に属していた周産期死亡率は,現在,世界最高水準にまで到達することができた。しかしながら,最近10年間は周産期死亡率に大きな変化はみられず,また,妊産婦死亡率は世界第一線とは言い難い水準から未だ抜け出せていない.周産期死亡率や妊産婦死亡率のさらなる改善には人員と機能を備えた産科医療システムの充実が必要であるが,同時に妊婦健診時のスクリーニング検査によりハイリスク妊娠を早期に診断し,適切な施設で適切な管理を行うことも重要となる.産科医療施設では妊産婦健康診査実施要項に基づき妊婦健診を行っているが,妊婦スクリーニング検査の選択は施設により大きく異なる.本稿では妊婦健診の歴史および現状について概説する.
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