今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
マンモグラフィ
5.その他の所見(構築の乱れなど)の見つけ方とカテゴリー分類
竹下 茂樹
1
1帝京大学医学部産婦人科学教室
pp.420-424
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904306
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マンモグラフィ検査は,検診と臨床によってその判定に被検診者の情報量の差が生じる場合があるが,基本的な読影方法は同様であると思われる1).本稿では腫瘤,石灰化以外のその他の所見(構築の乱れなど)の見つけ方とカテゴリー分類について解説する.腫瘤,石灰化と同様に既往歴の明確なものや,前回のマンモグラフィとの比較が可能である場合は,カテゴリー分類が異なる可能性がある.特に今回の所見のうち構築の乱れ(ar—chitectual distortion)は,従来マンモグラフィ所見として解説されてきた腫瘤,石灰化の概念と異なる所見で,乳腺の構築を考慮することで異常が認識できる所見である2).乳がん検診用マンモグラム読影に関する研修会受講者の読影試験の結果の解析で,腫瘤,石灰化,構築の乱れの各所見の見落とし率の検討では,構築の乱れが最も見落としの多い所見であった.したがって構築の乱れに対する理解を深めることが乳がん検診の有効率を上げるためにも重要であると思われる3).
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