今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
マンモグラフィ
6.マンモグラフィと放射線被曝
松本 満臣
1
,
加藤 二久
1
1東京都立保健科学大学放射線学科
pp.426-434
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904307
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はじめに
マンモグラフィを乳がん検診に使用する場合には,無症状の不特定多数に放射線照射を行うことになり,細心の注意が必要となる.マンモグラフィ検診に関する精度管理マニュアルは,すでにACR(American College of Radiology)がマンモグラフィのQuality Control Manualを出版しており,日本放射線科専門医会ではその翻訳を行っている1).日本放射線技術学会からは「乳房撮影精度管理マニュアル」2)が,日本医学放射線学会および日本放射線技術学会会員で構成されたマンモグラフィガイドライン委員会からは「マンモグラフィガイドライン」3)が,さらに厚生省老人保健強化推進特別事業による「マンモグラフィ検診の実施と精度向上に関する調査研究」大内班では「マンモグラフィによる乳がん検診の手引き—精度管理マニュアル」4)を上梓している.
これらの活発な活動は,マンモグラフィ検診がわが国では平成12年度から本格的に始まったこと,X線を用いる検診としては最も後発であることなどから,十分な事前検討が行われたのちに導入されるべきであるとして,厚生省がん研究助成金等による研究班(班長:大内憲明)によってマンモグラフィ検診全体にわたる広範かつ詳細な検討が行われてきたことによるものである.
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