視座
日本語の乱れと学術用語
望月 一男
1
1杏林大学整形外科
pp.299
発行日 2012年4月25日
Published Date 2012/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102305
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私事で恐縮であるが,妹の長男である甥から,最近礼状を受け取った.その文中に“叔父さんも健康に気をつけて”のくだりがあり,奇異に感じたことがある.“叔父さん”は“伯父さん”が正しいが,ゆとり教育世代の学力低下を示すエピソードでなければよいが,と心配している.もとより,言語は時代の流れで変化してゆくものであり,たとえ誤りでも多くの人々が用いることで,歴史的には誤りが正しくなった事例が数多くあることも承知である.「一所懸命」が「一生懸命」に,「独擅場(どくせんじょう)」が「独壇場(どくだんじょう)」に表記,呼称されることが,正しくなったことは有名な事実である.
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