今月の臨床 ART最新情報—妊娠率向上のために
凍結・胚移植・着床
1.内視鏡的子宮内膜機能評価
佐久本 哲郎
1
,
本間 裕朗
1
,
徳永 義光
1
1豊見城中央病院不妊・内分泌センター
pp.1395-1398
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904205
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体外受精・胚移植(IVF-ET)をはじめとする生殖補助技術(ART)が不妊治療を進展させて以来,多くの難治性不妊の治療が可能となってきた.しかしながら,IVF-ETにおける妊娠率は胚培養技術の向上にもかかわらず依然として20〜30%台を推移しているのが現状である.その原因として胚の発生不全のみならず,子宮内膜の増殖,分化異常による着床機能障害が指摘されている.
着床期子宮内膜の評価法としては,従来より黄体期に行う子宮内膜組織診でのendometrial dat—ingが用いられている1).一方,近年内視鏡の発達により子宮内膜の観察が外来診療で無麻酔下に容易に行えるようになってきた.この内視鏡を用いた観察は子宮内膜を全体像としてとらえることが可能であり,かつin vivoでの内膜評価がrealtimeに行える.また内膜に対し破壊的操作を加えないところから反復の観察が行えるため月経周期にともなう内膜の多様な変化を直視下にとらえることができる.これらの利点を用いわれわれは着床期子宮内膜の内視鏡的評価を行ってきた2,3).
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