連載 ARTシリーズ・16
年長女性はドナー卵を使用する割合が高くなるのか?
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.510
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904003
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女性の加齢とともに,その卵は胚を形成しても着床の可能性は低くなり,また着床しても流産となる可能性が高まる.その結果,ドナー卵の使用は若い女性に比較して年長女性にずっと多い.1996年にはドナー卵はART全体の8%に使用され,その数は5,162回に達する.そのうち6%はドナーによる新鮮胚を,2%は凍結胚を使用した.図は1996年に行われたドナー卵使用のART周期の割合を年齢別に示したものである.女性の年齢が38歳以下のときには,その周期の5%にしかドナー卵は使用されていない.それ以上の年齢ではドナー卵使用の割合は急速に増加して,40歳以上の女性ではART周期の70%以上がドナー卵によるものである.
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