今月の臨床 ホルモン療法のピットフォール—あなたの方法は間違っていませんか
その他
4.ブロモクリプチンの副作用軽減法は
綾部 琢哉
1
,
森 宏之
1
1帝京大学医学部産婦人科
pp.179
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903937
- 有料閲覧
- 文献概要
高プロラクチン血症に対する薬物療法として現在用いられているドパミン作動薬には,メシル酸ブロモクリプチンとテルグリドがあるが,いずれも麦角アルカロイドである.麦角アルカロイドはリゼルグ酸を骨格としてもち,その骨格や側鎖を修飾することにより得られる誘導体はさまざまな作用をもつ1).これはそれら誘導体の基本構造がノルアドレナリン,ドパミン,セロトニンなどの生体アミンの構造と類似性をもつため,それらの受容体と結合し,作動薬,部分作動薬,拮抗薬などとして作用するためと考えられる.
たとえば,エルゴタミンやエルゴトキシンは強力な平滑筋刺激薬で血管・子宮を収縮させ,α受容体を遮断する.メシル酸ジヒドロエルゴタミンは片頭痛や起立性低血圧の薬剤として,メシル酸ジヒドロエルゴトキシンは脳循環改善薬として,マレイン酸メチルエルゴメトリンは子宮収縮薬として,それぞれ臨床応用されており,LSDは向精神作用を有する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.