Japanese
English
短報
過食症状に対するブロモクリプチンの治療効果
Efficacy of Bromocriptine on Bulimic Patients
四宮 雅博
1
,
永田 貴美子
2
,
四宮 滋子
1,2
Masahiro SHINOMIYA
1
,
Kimiko NAGATA
2
,
Shigeko SHINOMIYA
1,2
1しのみやクリニック
2順天堂大学医学部臨床病理学
1Shinomiya Clinic
2Department of Clinical Laboratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
Bromocriptine
,
Bulimia
,
Dopamine
Keyword:
Bromocriptine
,
Bulimia
,
Dopamine
pp.403-406
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902203
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過食は,神経性大食症ばかりでなく,様々な精神障害や人格障害患者に出現する症状であり,しばしば慢性化し治療が困難である。過食の薬物治療としては,三環系抗うつ薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬をはじめ,モノアミン酸化酵素阻害薬,感情調整作用を持つ抗てんかん薬などが用いられているが,いずれも十分な効果が期待できるとは言い難い。
摂食行動の調節には,セロトニン,ドパミン,ノルエピネフリンなどの神経伝達物質が関与していると考えられている2)。なかでもセロトニンは満腹感の調節に,ドパミンは食物による快楽反応(満足)に関連することが知られている。選択的セロトニン再取り込み阻害薬をはじめとする抗うつ薬による治療は,セロトニン作動性のシナプスへの効果を期待して用いられている。今回我々は,ドパミン系に作用するブロモクリプチンによる過食症状の治療を試みたので報告する。
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