今月の臨床 産褥の異常と対策
精神疾患
2.産褥期精神病
木下 利彦
1
,
織田 裕行
1
1関西医科大学精神神経科
pp.1484-1486
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903860
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妊娠期および産褥期は,他の時期に比べて精神障害の発生は5倍以上多いといわれている.とくに産褥期に多い.妊娠期は再発例が多い.産褥期の定義はいろいろであるが,一般に出産後2週間から6か月の間をいう.ただし1年まで拡大する場合もある.産褥期は不眠,疲労,出血,内分泌変化などの身体的要因によって影響を受けることと,出産というストレスに起因する心因反応的要素が加わり,うつ病が出現しやすいが,出産早期は非定型病像を伴うことが多い.非定型病像とは精神医学的にも定義が難しいが,簡単にいうと意識レベルが低下し,そこに幻覚,妄想,滅裂,興奮などの精神症状が加わる状態をいう.
出産の心因反応的意味合いとは1),
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