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私のカルテから
Olanzapineが奏効した産褥期精神病の2例
Two Cases of Postpartum Psychosis Improved by Olanzapine Administration
高尾 哲也
1
,
水上 勝義
1
,
太刀川 弘和
1
,
吉野 聡
2
,
田中 勝也
2
,
朝田 隆
1
Tetsuya TAKAO
1
,
Katsuyoshi MIZUKAMI
1
,
Hirokazu TACHIKAWA
1
,
Satoru YOSHINO
2
,
Katsuya TANAKA
2
,
Takashi ASADA
1
1筑波大学人間総合科学研究科
2医療法人清風会豊和麗病院
1Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba Hospital
2Howarei Hospital
pp.539-541
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100271
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はじめに
産褥期精神病とは,産褥期に気分障害や幻覚・妄想状態などの多彩な病像を呈する急性の精神障害の総称であるが,その病態生理や治療,予後などについては不明な点が多い1,3)。したがって,これらに対する治療は各種向精神薬の対症的投与にとどまり,標準的な薬物療法は確立していない。すでに抗精神病薬として定着した非定型抗精神病薬,とりわけolanzapine(以下,OLZ)は,抗精神病作用の他に気分安定作用を併せ持つことが知られている2,6,7)。今回我々は,OLZが奏効した産褥期精神病を2例経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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