今月の臨床 新生児トラブルの初期対応—産科医へのアドバイス
全身状態の異常
2.痙攣・搐搦(振戦)
西田 朗
1
1東京都立八王子小児病院小児科
pp.250-251
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903556
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子宮内から子宮外への生理的適応が行われる新生児期に起こる痙攣は,発育途上にある脳に重大な影響を与え,しばしば永続的な異常を残すことになる.したがって,痙攣の診断にあたっては,迅速な診断と治療が要求される.新生児の痙攣は,そのほとんどが,なんらかの基礎疾患による症候性痙攣であり,乳児期以降に起こる痙攣とは著しく異なった臨床像を呈する.この時期は,大脳皮質機能の未熟性,髄鞘化の未発達のため,無呼吸や眼球運動異常,四肢の運動異常などの原始的な非定型発作(微細発作)としてみられることが多く,乳児期以後に認められる強直性間代性痙攣はむしろ稀である.そのため,痙攣を見落とさずに正確に把握することは,非常に困難である.
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