今月の臨床 性の分化とその異常—どこまで解明されたか
性分化の遺伝子・分子機構
1.性の分化と染色体
上田 克憲
1
,
大濱 紘三
1
1広島大学医学部産科婦人科
pp.36-38
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903503
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ヒトの染色体は,44本(22本×2組)の常染色体と2本の性染色体の計46本で構成されている.常染色体は男女で差はないが,性染色体は男性ではX染色体とY染色体が各1本であるのに対し,女性では2本のX染色体から構成され,したがって,染色体核型は男性が46,XY,女性は46,XXとなる.
性染色体は文字通り性の遺伝子型を決定するが,その原則は「Y染色体の存在はその個体を男性に分化させる」ということであり,換言すれば,X染色体を2本持つために女性になり,1本しか持たないために男性になるのではない.この原則は,臨床的にX染色体が1本の個体(45,X,Turner症候群)が女性型であり,2本のX染色体と1本のY染色体を持つ個体(47,XXY,Klinefelter症候群)が男性型であることからもわかる.
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