今月の臨床 HRT—ベストテクニック
HRTの副作用と対策
2.性器出血
橋本 栄
1
,
多賀 理吉
1
1横浜市立大学医学部産科婦人科
pp.1388-1390
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903455
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ホルモン補充療法(以下,HRTと略す)における短期的な副作用のなかで,最も問題となるのが不正性器出血である.HRTの方式にはさまざまな薬剤,投与形態,投与方法があり,性器出血の頻度を低下させるべく,これまで多くの投与方式が検討されてきた.そして現在も改良が加えられている.
HRTの基本理念はエストロゲンの補充であるが,エストロゲンの単独投与では子宮内膜癌のリスクが上昇するため,不正性器出血の頻度を低下させる目的もあって,プロゲスチンを併用する方法が考え出されてきた.しかし,どのようにプロゲスチンを併用しても不正出血の問題が完全に解決されるわけではない.いずれにしても治療開始直後は,約半数には性器出血がみられるということを覚悟していたほうがよく,患者にはあらかじめこのことを説明して理解を得ておかなければならない.
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