今月の臨床 胎児・新生児のBrain Damage
新生児期の脳損傷
4.未熟性と脳室内出血
西田 朗
1
1東京都立八王子小児病院小児科
pp.1184-1186
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903403
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新生児医療の進歩,とくに人工サーファクタントの使用によりその発症頻度は減少をみたものの,いまだ脳室内出血(intraventricular hemor—rhage:IVH)は,1,500g未満の未熟児にとって主要な死亡原因であることには変わりない.未熟児のIVHは,まず脳室上衣下胚層(subepen—dymal germinal matrix:SEGM)に出血が起こり(脳室上衣下出血:subependymal hemor—rhage:SEH),その後脳室内へ進行すると言われている.
本疾患は,その成因がとりわけ患児の未熟性によることから,本稿においてはまずSEHの発症母体であるSEGMについて概説し,ついでIVHの危険因子およびその予防法(周生期における)について述べることとする.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.