今月の臨床 先天異常をどう診るか
Overview
1.先天異常診療の現況と問題点
鈴森 薫
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科
pp.10-13
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903132
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新生児,未熟児医療の進歩により,極小未熟児の多くが救命され成育可能となった今日であるが,周産期に携わる医師の必死の努力にもかかわらず,いまだ予後が不良で周産期死亡の第1位を占めている疾患がある.それが先天異常である.周産期死亡という形で淘汰を受けたとしても,ヒト新生児の3〜7%が何らかの身体的・知能的な先天異常をもっており,これは患者と家族のみならず社会全体にとって重大な問題となっている.
近年の遺伝医学の進歩は目覚ましく,先天異常を含む多くの疾患が染色体レベル,酵素レベルのみならず遺伝子レベルで正確な診断ができるようになり,保因者診断,発症前診断,出生前診断などが可能となっている.
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