今月の臨床 婦人科腫瘍境界悪性—最近の知見と取り扱いの実際
取り扱い方針について
2-1.子宮体部境界悪性病変—子宮内膜異型増殖症および早期子宮体癌の子宮温存療法
土岐 利彦
1
,
藤井 信吾
1
1信州大学医学部産婦人科
pp.1034-1035
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902623
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子宮内膜増殖症;endometrial hyperplasiaには,嚢胞性;cystic(simple),腺腫性;adeno—matous(complex),異型:atypicalの3型が知られているが,これらの中で前2者は腺癌へ進行するリスクは低く,一般に境界悪性病変として取り扱われるのは異型増殖症である.しかし.筋層浸潤のない子宮内膜に限局する早期の子宮体癌も,保存的治療という観点からは,以下のような理由で境界悪性病変として捉えられる.
1)異型増殖症と高分化型腺癌の組織学的鑑別は間質浸潤の有無によって決定されるが,生検標本だけでは鑑別の困難な例にしばしば遭遇する.
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