原著
集団検診における卵巣腫瘤の取扱いの実際
市毛 敬子
1
,
伊藤 良彌
1
,
田中 忠夫
2
1(財)東京都健康推進財団多摩がん検診センター婦人科
2東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.965-970
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902610
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多摩がん検診センターで1993年6月〜1995年9月に子宮癌集団検診を受けた11,360名に,内診・経腟式超音波診断を施行し,428名(3.77%)に30mm以上の卵巣腫瘤を発見し,このうち卵巣癌は3名(0.026%)であった.これらの症例の卵巣腫瘤の性質(腫瘤長径・部位・超音波パターン・腫瘍マーカー値)や患者背景(年齢・体格・月経・内分泌療法の有無・結婚・妊娠・分娩・既往歴・家族歴)を検討し,腫瘤の経過を観察した.
腫瘤長径50mm以上・両側性・超音波診断で●・〓型・腫瘍マーカー高値・34歳以下あるいは50歳以上・閉経後・未妊・癌や子宮筋腫の既往・近親者の癌が,卵巣癌や治療適応となる良性卵巣腫瘤のハイリスクグループであると認められ,この結果に基づいて集団検診における卵巣腫瘤の取扱いに関する試案を作成した.
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