今月の臨床 妊婦の糖尿病マネジメント
妊婦・胎児への影響
4.肩甲難産と巨大児
高木 耕一郎
1
,
石田 油香
2
1東京女子医科大学附属第二病院産婦人科
2東京女子医科大学産婦人科
pp.166-168
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902416
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肩甲難産とは,児頭が娩出された後に肩甲の娩出が困難となる状態をいう.本症では産道による圧迫により臍帯からの血流が得られないだけでなく,産道内に児の胸郭が圧縮された状態にあるために肺呼吸もできず,娩出に時間がかかればかかるほど児の低酸素症が進行する重篤な疾患である.肩甲難産は発生頻度は高くないが,いったん発生すると周産期死亡や新生児合併症が頻発する産科救急疾患である.肩甲難産は巨大児に多く,とくに糖代謝異常の合併により増加するといわれている,巨大児分娩では児頭骨盤不均衡(CPD)のみならず,肩甲難産などの分娩外傷を伴うことより,その分娩様式の決定に苦慮することが多い.
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