今月の臨床 いまなぜ“胎児仮死”か
胎児仮死にどう対応するか
2.胎児への対応
1)吸引,鉗子分娩(適応と限界)
西島 正博
1
,
庄田 隆
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.1642-1644
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902361
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遂娩とはなんらかの人工介助(薬剤,理学的刺激,手術など)を加えることによって,分娩を遂げしめることをいう.また急速遂娩とは分娩経過の持続をなるべく短くして分娩させることをいう1).
吸引,鉗子分娩を急速遂娩法として選択しなければならない胎児仮死所見とは原則として分娩第2期のものであり(図1),高度変動一過性徐脈や遷延一過性徐脈などがあげられる.その原因はさまざまなものであるが,原因を問わずまず第一には酸素投与,体位変換,仰臥位低血圧の対策,過度の子宮収縮の抑制など一般的な胎児仮死対策を行い,回復を試みたうえで選択を行うべきである(図2).
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