原著
卵巣癌における骨盤リンパ節ならびに傍大動脈リンパ節への転移率について
小原 幹隆
1
,
高橋 道
1
,
三川 猛
1
,
柴田 悟史
1
,
福田 淳
1
,
加藤 充弘
2
,
設楽 芳弘
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産科婦人科
2中通総合病院産婦人科
pp.1439-1442
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902314
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卵巣癌における骨盤および傍大動脈リンパ節転移について臨床病理学的に検討した.対象は1990年から1994年まで卵巣癌で骨盤および傍大動脈リンパ節郭清を施行した22例である.後腹膜所見を考慮しない進行期では1期12%,II期0%,III期67%と高率にリンパ節転移を認めた.組織型別では漿液性嚢胞腺癌,卵黄嚢腫瘍でリンパ節転移率が高かった.両側卵巣腫瘍,腹膜播種陽性,腹水細胞診陽性はそれぞれリンパ節転移のrisk factorであった.骨盤リンパ節と傍大動脈リンパ節転移との関係では,両者の転移率に差はなく,傍大動脈リンパ節のみ転移陽性の例もみられた.以上の結果より,正確なstagingおよび手術の根治性を考慮すると傍大動脈リンパ節および.骨盤リンパ節を同時に郭清すべきであると考えられた.
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