産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン
腹腔鏡下手術時の縫合術
森田 峰人
1
,
矢野 義明
1
,
平川 舜
1
1東邦大学第1産婦人科
pp.1512
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901998
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産婦人科領域での腹腔鏡下手術の適応は,近年徐々に拡大され,縫合を要する手術も行われるようになってきた.婦人科腹腔鏡下手術で縫合術を行うものとして,子宮筋腫核出術の際の子宮切開創や卵管開口術の際の卵管飜転部の縫合などがある.
縫合を行う際のポイントとしては,縫合に使用する鉗子の選択,縫合針の選択,縫合糸の選択がある.まず第1点として,腹腔鏡下手術専用の持針器を用いることで最も容易に縫合を行うことが可能となる.腹腔鏡下手術用の持針器は各社から発売されており,一般的な把持鉗子よりも針や糸を確実に掴むことができ,容易かつ確実に縫合を行うことができる.持針器のタイプとしては,針を掴む部分の形状が開腹術で用いるものと同様にダイアモンドカットが施されているものが最も使用しやすい.これは,腹腔鏡下の鉗子操作という性格上,開腹術のような自由な運針が不可能であり,このような状態において鉗子に対する針の固定角度が限定されてしまう鉗子では操作が困難であり,自由な角度で固定できるものが最も使用しやすいという理由によるものである.
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