今月の臨床 難治性合併症を診る—産科
腎・泌尿器系合併症
18.腎透析・腎移植
飯沼 博朗
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.1360-1361
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901954
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腎炎・ネフローゼ患者の妊娠・出産に関する指導指針1)によると,クレアチニン・クリアランス(CCr)70〜50ml/分でも,妊娠・出産は原則としてすすめられないとされている.腎透析例は,この値をはるかに下回るCCr値であるから妊娠の維持は困難というべきである.指導指針の参考事項には「患者および家族が出産を希望する場合にはデータに基づいて妊娠・分娩までの見通しを本人と配偶者などに説明し,生児を得る確率が健康妊婦の場合に比べて低いこと,また,腎炎の悪化をきたす場合もあることなどについて理解・納得を得たうえで,妊娠の継続に協力することを原則とする.」と述べられている.腎移植例についても,同様の考え方でインフォームド・コンセントを得るように努力する.
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