今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
治療と予防
骨増加療法
27.漢方療法
神谷 直樹
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科
pp.1152-1153
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901892
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骨粗鬆症に対する治療薬の現状は表1のごとくである.これらの中でカルシトニンは使用量,使用期間に問題を残してはいるが有効性が確立されている.ビタミンDは栄養素としてカルシウムとともに補充するとされている.このビタミンDは欧米では否定的であったが最近認知されるようになっている.女性ホルモンについては骨粗鬆症治療薬として確立されているが,骨代謝に対する作用について研究の余地が残されている.イプリフラボンは日本で開発された薬剤であり,世界的に評価されつつある.これらの薬剤は骨吸収抑制作用を中心としたものであるが,最近はサイトカインのような骨形成促進作用を中心とする薬剤の検討がなされている.また,骨粗鬆症に対する漢方療法についての記載を成書で見いだすことは不可能に近い.しかし最近,漢方薬に骨塩減少抑制効果があり,骨粗鬆症の治療薬として有効ではないかと推測している文献を散見するようになった.今回はこの漢方療法について記載する.
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