産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン
腹腔鏡下の切開・切断・止血・縫合などの処置
堤 治
1
1東京大学
pp.1028
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901858
- 有料閲覧
- 文献概要
レーザー,電気メス,自動縫合器,各種鉗子類等の器具の発達にも支えられ,切開・止血等の手術操作は腹腔鏡下でも開腹下と同様に可能となりつつある.今回は切開・止血・縫合等にあたって各種器具の特徴を活かした様々な場合への対応を述べる.
腹腔鏡下手術における切開,切断は基本的には鋏鉗子を用いて行うが,レーザーも有用である(表).必ず把持鉗子で切開部位を展張し,腹腔鏡を接近させ切開部位を拡大し血管の有無等を確認の上行う.電気メス凝固の併用で出血は最小限にとどめることができる.子宮円靱帯等小血管を含む組織では切断部位の両側をあらかじめ電気凝固してから中央を切断する.子宮動脈,卵巣動静脈等大きな血管を含む場合はエンドGIA,エンドカッター等の自動縫合器が操作も容易で簡便である(表).針糸による結紮やクリッピングは組織が大量になる時にはあまり適さず,ある程度血管を分離するなどしてから用いる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.