今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割
物質のトランスポート
7.糖,脂質
佐川 典正
1
1京都大学医学部婦人科産科
pp.972-974
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901838
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グルコースは胎児にとって必須のエネルギー源であるが,胎児はこれをもっぱら母体から供給されなければならない.母体と胎児の間には胎盤が一種の隔壁として存在するので,グルコースはまず母体血中から胎盤の細胞内に取り込まれ,その後胎児側の血流中に移行することになる.
一般的に,胎盤での物質輸送は,母体側の子宮胎盤血流量,物質の物理化学的性質,胎児側の胎盤血流量など多くの因子に影響される,また,脂質など特殊な場合には,その物質が胎盤で代謝されるか否かも関係することがある.
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