今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー
子宮体癌
診断
16.組織診—異型増殖症と初期癌の鑑別
永井 宣隆
1
,
岡本 悦治
1
1広島大学医学部産婦人科
pp.760-761
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901777
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- 文献概要
子宮内膜増殖症(endometrial hyperplasia)は子宮内膜の過剰増殖をいい,子宮体癌取扱い規約では腺の形態や異型の程度により嚢胞性腺増殖症(cystic glandular hyperplasia),腺腫性増殖症(adenomatous hyperplasia),異型増殖症(atypical hyperplasia)に分類されている1).一方,International Society of GynecologicalPathologistの分類では(表1)のように2),細胞異型(atypia)の有無により内膜増殖症(en—dometrial hyperplasia)と異型内膜増殖症(atypical endometrial hyperplasia),組織構築により単純性(simple)と複雑性(complex)増殖症に分けている.単純性増殖症は主に嚢胞性腺増殖症が該当し,複雑性増殖症は腺成分がさらに密に増殖を示し,“back to back”の像も呈し,腺腫性増殖症が含まれる.そして子宮内膜増殖症を単純性から複雑性へ,細胞異型のないものから伴うものへと連続性のある病変として取り扱っている.
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