今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル
H.患者への対応
56.インフォームド・コンセント—手術
安達 知子
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.548-551
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901718
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従来から手術や特殊な検査の場合には,医師が患者から書面による同意を得ることはよく行われていた.しかし,これがかなり形式的なものになっていたことが指摘されている.日本では,元来患者の側に「すべて先生におまかせします」という傾向があり,また,医師の側にも「最善を尽くすから自分にまかせて欲しい」という考えがあった.これは,一面,医師と患者の信頼関係の上で好ましいように見えるが,一方,患者は診療を受けるに当たり,自分の不安や,わからないところを質問しづらい面を持ち,医師は患者の話に耳を傾け説明するという時間や機会を持たない習慣が身についていた.インフォームド・コンセント「説明と同意」ということばは,現在,診療の場で日常的なものとなってきているが,ここでもう一度,とくに婦人科手術に際してのインフォームド・コンセントの在り方について考えてみたい.
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