今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
薬物療法プラクティス
10.不育症に対するステロイド・アスピリン併用療法
青木 耕治
1
1名古屋市立大学医学部産科婦人科
pp.43-45
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901572
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2回以上の流産・死産を経験した不育症患者に対して,一般的にまず夫婦の染色体検査,患者自身の内分泌検査,子宮卵巣造影検査などが施行されるが,それらにより原因が明らかにされる確率は半数以下である.近年新たに免疫学的誘因による不育症の存在が,多くの研究者により論議されている.その免疫学的誘因には2種類あり,ひとつは同種免疫異常によるものであり,もうひとつは自己免疫異常によるものである.不育症の誘因と考えられる自己免疫異常としては,ループスアンチコアグラント抗体と抗リン脂質抗体が注目されている.本稿では抗リン脂質抗体と不育症の関係を簡単に説明し,その治療法としてのステロイド・アスピリン併用療法について概説する.
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