今月の臨床 思春期診療
思春期から性成熟期へ
15.多毛
中居 光生
1
Mitsuo Nakai
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.1329-1331
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901070
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思春期に成熟化の過程を辿る視床下部・下垂体・卵巣系の周期的変化が身体内外の環境の変化に適応して影響を受けていることをわれわれは日常しばしば経験している。このような排卵機能に障害を与える因子の1つとして,副腎と卵巣から分泌されるテストステロンとアンドロゲン活性をもつ前駆物質の1群がある。これらが皮脂毛嚢単位を過剰に刺激して起こるのが多毛である。多毛はアンドロゲンによる男化徴候の発現過程で最も初期に出現する症状である。
遺伝的多毛は性毛の身体分布が広い白人に比較的多く,もう1つの内分泌的多毛は家系によってアンドロゲンに対する毛嚢の個人的感受性の差で起こる。
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