今月の臨床 産婦人科内科—治療のポイント
性成熟期
6.多毛症
成田 収
1
,
北川 武司
1
Osamu Narita
1
,
Takeshi Kitagawa
1
1名古屋大学医学部付属病院分院産婦人科
pp.1040-1041
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900541
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女性における多毛とはアンドロゲンに感受性のある顔面・胸部・腹部・背部などに終毛の発生を認める場合をいう。
多毛の原因には,遺伝的・家族的要因が挙げられるが,①卵巣あるいは副腎からのアンドロゲンの過剰分泌,②末梢組織でのプレホルモンからアンドロゲンへの転換量の増加,③性ホルモン結合蛋白の減少,④皮膚における標的臓器である毛嚢のアンドロゲン感受性の亢進,などが挙げられる(表1)(図1)。これらのうち,①②③のアンドロゲンの過剰および性ホルモン結合蛋白の減少は,多毛・座瘡・脂漏などの美容上の問題の他に無月経・排卵障害などの月経異常を伴い不妊の原因となりうると報告されており,治療にあたってはこの点にも注意が必要である。
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