今月の臨床 不妊治療の進歩
卵管
9.卵のpick up障害への対応
杉並 洋
1
Hiroshi Suginami
1
1国立京都病院婦人科
pp.420-421
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900806
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卵のpick up障害にうまく対応するには,卵の卵管釆による捕獲および卵管内移送の機構を理解する必要がある。
ヒトにおいて,排卵が近ずくと腹水の量が増え卵管はその中で一種の無重力状態に置かれる。そのような状況下で卵管平滑筋あるいは卵管間膜が収縮することにより卵管釆は排卵部位の近くに位置するようになる。排卵された卵は卵丘に囲まれている(卵・卵丘複合体)が,この卵・卵丘複合体の表面には大量の細胞間物質が露出している。卵管釆繊毛はその細胞間物質を付着せしめ,これを繊毛運動によって卵管内へと移送する。卵丘に囲まれた卵はその結果として卵管内へ取り込まれる。
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