今月の臨床 産婦人科内科—治療のポイント
性成熟期
8.乳腺症
弥生 恵司
1
Eiji Yayoi
1
1大阪逓信病院外科
pp.1044-1047
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900543
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乳腺症は,主に中年女性にみられる非炎症性,非腫瘍性の疾患で,乳腺内に腫瘤様硬結を形成する。乳腺外来を訪れる乳腺疾患のなかでは最も多く,乳腺疾患の30〜50%を占め,乳腺線維腺腫,乳癌とともに乳腺の3大疾患といわれており,臨床的に重要な疾患である。さらに乳腺症は,好発年齢が乳癌に近いこと,乳腺症に合併して乳癌が存在する場合があること,乳腺症を母地とした乳癌発生の可能性の存在など乳癌との関連という点からもその診断・治療には,とくに慎重であらねばならない。本稿では,乳腺症の本態,病理組織,臨床像に簡単にふれ,著者の治療方針を紹介する。
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