今月の臨床 更年期障害
更年期とは
6.女性ホルモンと微小循環
鍵谷 昭文
1
,
齋藤 良治
1
Akifumi Kagiya
1
,
Yoshiharu Saito
1
1弘前大学医学部産科婦人科
pp.524-526
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900405
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卵巣の老化によるエストロゲンの分泌低下は,視床下部性中枢の周期的亢奮性を乱し,近傍の自律神経中枢に変調をもたらすものと推定される。血管運動障害症状である熱感(hot flushes)や発汗は更年期障害にみられる最も代表的な症状であり,卵巣機能の衰退に直接結びつく症状と考えられている。Hot flushesと血清エストロゲン濃度との関連についてはいまだ結論は得られていないが,このようなエストロゲン欠乏による血管運動神経症状については,すべての報告が,更年期に増加するとしており,これのみが,純粋の更年期症状であるとするものさえある。ここでは,更年期における女性ホルモン特にエストロゲンと循環動態および更年期婦人における微小循環について簡単に述べてみたい。
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