今月の臨床 月経とその異常
月経異常—その鑑別と治療
29.月経前緊張症候群
林 方也
1
Masaya Hayashi
1
1永寿総合病院産婦人科
pp.462-463
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900389
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premenstrual syndrome PMSないしtension PMTとよばれ,30代より閉経前婦人の月経前数日〜10日に周期的に発来する表1の如き不定愁訴症候群であるが,人種別差異もあり,本邦では,憂うつ,疲れ,いらいら,気分変化,精神緊張,腹部肥大,食欲亢進の順に多くみられる。1931年Frank1)による15例が初めて報告されたが,軽症は除外される傾向から諸家5〜40%とその頻度はさまざまであり,実際に受診する患者はそのうち数%である。本症は年齢および出産回数がふえるにつれて増加し,さらにストレス,妊娠中毒症の既往,糖や食塩の過剰摂取,運動不足の婦人に重症例も含めて多くみられる2)。
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