増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
II 内分泌・不妊
月経前緊張症
高井 泰
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.66-68
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103672
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疾患の概要
月経前3~10日の黄体期に周期的に発来する精神的,身体的症状であり,月経発来とともに減退ないし消失するものを月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)または月経前緊張症という(後者のほうが古典的な表現).症状は,疲労感,イライラ,腹部膨満感,乳房痛,情緒不安定,抑うつ,食欲亢進,浮腫,頭痛など多彩である.月経を有する女性の70~90%は何らかの月経前症状を有するが,そのなかで日常生活に支障をきたす中等度以上のPMSは5~9%である.さらに,重症のPMSまたは精神症状が主体となるものを月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder : PMDD)という.
血中性ステロイドホルモンの周期的変化に対する感受性が高いことが発症に関与しているとされており,精神症状についてはプロゲステロンに対するセロトニン作動性システムの感受性が高いことが誘因と考えられている.
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