合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて
腫瘍
HBOCに対応するための知識―遺伝性疾患としての病態,診断法,治療ないし対応法と説明の際の留意点
西野 幸治
1
,
関根 正幸
2
,
榎本 隆之
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科家族性・遺伝性腫瘍学講座(産科婦人科)
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御分野(産科婦人科)
pp.88-95
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210568
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●卵巣がんの約15%は遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)である.HBOCを診断することのベネフィットは大きく,卵巣がん全例に対してBRCA遺伝学的検査の実施を考慮すべきである.
●HBOCは,診断法や病的バリアント保持者に対する対応(サーベイランス・リスク低減手術など)が定まっている数少ない遺伝性疾患の1つである.
●HBOCを診断することは,発端者へのPARP阻害薬による治療のみならず,家系員のバリアント保持者の診断やサーベイランス・リスク低減手術の提供を可能とし,健康維持に大きく貢献する.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.