合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて
扉
澤井 英明
1
,
平沢 晃
2
1兵庫医科大学病院遺伝子診療部
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科臨床遺伝子医療学
pp.5
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210554
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産婦人科医のみならずすべての医療者にとって,遺伝医療は分野横断的かつ不可欠な基盤分野といえる.日本産科婦人科学会のサブスペシャルティとしては,周産期,腫瘍,生殖・内分泌,女性ヘルスケアの4領域があるが,臨床遺伝学はこれらすべてのサブスペシャルティ領域を横断的に網羅している.
周産期医療においては,従来,出生前診断が産婦人科領域の臨床遺伝学領域の先駆けとしてきたことから,その課題も多くある.羊水検査や絨毛検査という古典的な侵襲的検査法は依然として確定診断の重要な検査方法であるが,遺伝学的検査法はG分染法にはじまり,現在はマイクロアレイや次世代シーケンサーを用いた方法まで多様化している.また母体血清マーカー検査や母体血胎児染色体検査といった非侵襲的な方法が新たに導入され,その実施が社会的にも課題となっている.
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