症例
腹腔鏡下に根治術を完遂し得たS状結腸子宮瘻の1例
伊東 史学
1
,
向川 智英
2
,
橋口 康弘
1
,
細川 奈月
1
,
杉浦 敦
1
,
谷口 真紀子
1
,
佐道 俊幸
1
,
喜多 恒和
1
1奈良県総合医療センター産婦人科
2奈良県総合医療センター消化器・肝臓・胆のう・膵臓外科
pp.631-634
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210089
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▶要約
S状結腸子宮瘻は,結腸憩室炎を契機にS状結腸壁が子宮と癒着し,慢性的な炎症の結果瘻孔を形成すると考えられ,高齢者に多い1).根治的治療として,子宮摘出ならびに結腸の合併切除術が必要となるが,今回腹腔鏡下に手術を施行し得た.子宮とS状結腸は剝離しないまま合併切除し,子宮下部側は大腸用自動縫合器で切断することで,便汁の腹腔内漏出を避けることができた.近年,腹腔鏡下手術は急速に広まっているが,子宮と結腸の合併切除を行う機会は少なく,本症例のような高齢者に多い疾患には低侵襲に行うことが可能と考えられた.
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