連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
急性妊娠脂肪肝とHELLP症候群の鑑別が困難であり帝王切開後に大量出血をきたした症例
山下 博
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター産婦人科
pp.812-816
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
本症例は短時間の間にさまざまなイベントが発生したため,初診時の時刻を0 : 00として時刻を付記しながら症例を供覧する.
▶患者 39歳.
▶既往歴 特になし.
▶妊娠歴 1妊0産.
▶現病歴
他院にて妊婦健診中であった.妊娠37週5日,強い上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した(この時刻を0 : 00とする).母子手帳を持参していなかったため,詳細な妊娠経過は不明であったが,3日前の健診で担当医師より,血圧が高めで蛋白尿が出はじめていると言われたとのことであった.疼痛が強く,入院管理となった.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.