今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法
疾患各論
胎児・新生児・乳児期におけるアレルギー予防対策
下条 直樹
1
1千葉大学大学院医学研究院小児病態学
pp.782-785
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209465
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●妊娠中・授乳中の母体の食事制限が児のアレルギー発症を予防するエビデンスはない.一方で,ハイリスク児の母体がアレルゲンとなりうる食物を頻回に摂取することが児のアレルギーを予防できるというエビデンスも十分ではない.
●児の離乳食を遅らせることはアレルギーの発症予防にならないのみでなく,かえって食物アレルギーの発症リスクを上げると考えられている.ハイリスク児であっても,湿疹の治療をきちんと行いつつ離乳食を進めることが勧められる.
●食物は直接的・間接的に免疫機能を調節する.母体・児ともに,食物を単にアレルゲンの観点からのみとらえるのではなく,免疫調節物質としての働きからも考えることが大切と思われる.
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