今月の臨床 骨粗鬆症の最新トピックス─ガイドラインの大幅改訂を迎えて
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版改訂のポイント
五來 逸雄
1
,
堀 裕雅
1
1産育会堀病院
pp.994-1000
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208888
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●薬物治療開始基準 : 原発性骨粗鬆症診断基準の改訂に準拠した修正がなされ,治療開始に際し椎体骨折と大腿骨近位部骨折は骨密度測定値にかかわらず骨粗鬆症と診断し,その他の骨粗鬆症性骨折は従来通り骨密度がYAM値の80%未満を確認するとされた.
●薬物の評価・推奨方法 : 薬物効果の評価はこれまでの「推奨」ではなく,骨密度上昇効果と骨折発生抑制効果(椎体,非椎体,大腿骨近位部のそれぞれについて)について「有効性の評価(A,B,C)」に変更された.
●骨粗鬆症の定義・疫学および成因に関する新しい概念 : ①2型糖尿病の骨密度上昇時の骨折リスクの増加,②慢性腎臓病(CKD)と骨粗鬆症はともにもう一方の病態を増悪させる,③慢性閉塞性肺疾患(COPD)での骨密度低下と骨折リスク上昇の相関,が新しい知見として知られている.
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