連載 Estrogen Series
更年期以前の乳癌に対する卵巣機能抑制とexemestaneの補助的使用について
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.150-151
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208198
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われわれ産婦人科医は日々成人女性に接している.女性の癌で最も多いものは乳癌で,悪性腫瘍による女性死亡の第一の原因である.産婦人科医はもっと女性の乳房に関心をもってもよいのではないか? 乳房に関心を持つことにより,乳癌早期発見を現在よりもっと充実させ,将来の産婦人科という限られた専門領域の展望に新分野をつけ加えることができるのではないだろうか?
米国では乳癌発見時に50歳以下の女性は21%を占める.その中で,最も多いタイプはホルモン受容体陽性のもので,これは近年増加傾向にある.更年期以後のホルモン受容体陽性の乳癌に対しては,タモキシフェンよりもアロマターゼ抑制薬のほうが有効であることが判明している.それでは,更年期以前の乳癌に対しては,このexemestaneとタモキシフェンの薬剤両者のうち,どちらがより有効であろうか? この疑問に答えるために,最近TEXTおよびSOFTと呼ばれる大規模無差別試験の結果が発表された.
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