特集 産婦人科と生物活性物質
Epidermal growth factor (EGF)と妊娠・胎児発育
堤 治
1
,
亀井 良政
1
,
桑原 慶紀
1
,
水野 正彦
1
Osamu Tsutsumi
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.247-251
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207963
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近年産婦人科領域でも多くの生物活性物質が発見同定され,その作用についても様々な角度から研究がなされている。これら物質の働きが明らかになることは生殖生理を初めとした産婦人科領域の諸問題の理解が深まるばかりでなく,未知の病態の解明,新しい治療法の開発など,臨床面における展開も期待できる。しかし,これらの物質の生体内作用については適当な疾患モデル,動物モデルもなく未知な部分が残されている。Epidermal growth factor (EGF)はマウス顎下腺から抽出されたポリペプチドの細胞増殖因子である1)。我々は最近マウスを用いてEGFが生殖,ことに妊娠の成立や胎児発育に重要な役割を果たしているとの知見を得た2)。本特集にあたって,生物活性物質としてのEGFの性質および生殖現象における生理的意義を概説し,ヒトの現象への関与を示唆する最近の成績についても報告したい。
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