臨床研修セミナー 外陰疾患—外陰ジストロフィーを中心に
私はこうしている
硬化性苔癬の治療
杉森 甫
1
Hajime Sugimori
1
1佐賀医科大学産科婦人科学教室
pp.481-483
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208005
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硬化性苔癬は従来,外陰萎縮症,萎縮性白斑症などと呼ばれていたものに相当する疾患である3,4)。大陰唇,小陰唇,会陰,肛門周囲に白色斑として認められる。辺縁は不規則であり,かつ周囲の皮膚よりやや沈下しているのが特徴的とされる。進行してくると,皮膚は萎縮し皺襞を形成する。さらには小陰唇が消失し,腟口が狭小となる。白斑はしばしば左右対称性にみられ,これらの特異な像から臨床診断は比較的容易である。しかし,同様に白斑を呈してくる疾患に増殖性ジストロフィーがあり,これと本症とが合併した形の混合型ジストロフィーなどもあるので,治療開始前にまず診断を確定しておくことが重要である。
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