境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と腎
周産期適応障害と腎機能—特に新生児腎不全について
二村 真秀
1
,
黒柳 允男
2
Masahide Futamura
1
,
Masao Kuroyanagi
2
1名古屋市立城北病院小児科
2愛知県コロニー中央病院新生児科
pp.513-518
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207631
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新生児期の腎機能としては,有毒物質の排泄とともに,水分出納と電解質の維持が極めて大切である。正常成熟児においては,通常はその機能は一応備わっているが,重症仮死,腎異形成,尿路通過障害のあるときにはその対応が悪く,ために機能障害をしばしば経験する。一方,未熟児においては腎機能が不十分であるうえに,その機能障害にもしばしば遭遇する。その場合には水分や溶質の過剰な負荷が主因となる。このように,周産期における胎児,新生児の腎機能障害の問題は,成熟児,未熟児では異質な点がある1)。本項においては,これら新生児の適応の観点より,(1)成熟児,未熟児における新生児期の腎機能の特徴,(2)新生児急性腎不全の診断と治療,(3)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)に焦点をあてて述べる。
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