グラフ 目でみる胎盤の診断
胎盤の異常(3)
小幡 憲郎
1
,
竹内 正七
1
Norio Obata
1
,
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.720-721
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207460
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(1)絨毛膜外性胎盤Placenta Extrachorialis
絨毛膜(membranous chorion)と胎盤絨毛(villous chorion)の移行部が胎盤辺縁より内側に存在する状態をいう。すなわち,絨毛膜板(chorionic plate)を越えて胎盤絨毛が突出し,黄色の辺縁を有しているものを画縁胎盤circummarginata placenta (図1),この辺縁が厚く,堤防状に隆起し胎盤胎児面を著しく狭くしているものを周廓胎盤circumvallata placenta (図2)という。組織学的所見を図3に示した。
絨毛膜外性胎盤の発生頻度は20〜25%,周廓胎盤のそれは1%以下である(Fox,1978)。 臨床的には,ことに周廓胎盤例で,反復する出血,早産,胎児発育障害,などが報告されている。
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